どん                       
   
       ルート2のなぞ

  さおりは中学3年生です。
  今日学校でルート、無理数について習ったのでした。
  
  家に帰るなり、
  「お母さん! 広告紙ある? あれば、頂戴!」
  「そんな大きな声を出してどうしたの? いつもならおやつはという人が」
  「そうそう、おやつもね。早く出してよ! 」
  さおりは、おやつを口にしながら広告紙を持って、自分の部屋に入りました。
  
  今日のさおりはどうしたのかしらとお母さんは思いました。
  「いつもならおやつを食べながら、ひとしきりおしゃべり
  する子が ・・・  おかしな子」

  「お母さん! 分かったのよ!」と言いながら、さおりは部屋から出てきました。
  夕飯の準備をしていたお母さんは、大きな声に驚いて
  「どうしたの? 何が分かったの? さおり!」
  「今日学校で無理数を習ったの?」
  「無理数って、えーっとルートなんとかという数のこと?」
  「お母さん、よく覚えているのね」
  「これでもお母さんは数学は得意だったのよ! それで何が分かったの?」
  「ルート2になっていることが分かったのよ」

  さおりは、幼稚園児の頃、折り紙で遊ぶのが好きで、友達から
  「さおりのおりちゃん」と呼ばれていたほどでした。
  さおりは、折り紙の正方形の対角線の長さがいくらになるのかと
  ずっと疑問に思っていました。それと広告紙で遊んでいた時に
  不思議に思っていたことがあったのでした。

  「お母さん! 広告紙で正方形を作れる?」
  「親をからかうではありません。正方形はかどを折って三角にしてやれば」
  と言いながら、正方形を作りました。
  「それじゃ、広げて見て! 対角線の折り目があるでしょう」
  「正方形の対角線だね」
  「そうそう、その対角線の折り目と広告紙の長い辺を重ねてみて」
  「そんなことして何になるの?」
  「それじゃ、お母さんは見ていてね。私が折ってみるから」
  「ぴったりと重なるでしょう。対角線の長さと
  「そうね、だけどそれがどうしたの?」
  「だってね、今日学校で習ったの。正方形の一辺を1とすると、対角線の
   長さはルート2なのよ。ということはね」
  「さおりは、1たいルート2と言いたいでしょう!」
  「そうよ、お母さん! よく分かったね。この広告紙のたてとよこの比が
   1たいルート2になっているのよ!」
  
  さおりは、幼い頃の疑問が解消してうれしくてたまりません。この時は
  不思議に思っていたことは、まだ忘れていたのでした。

  「お母さん、夕飯はまだぁ? お腹すいたよ!」
  「はいはい、さおりにつきあっていたからすっかり遅れてしまったわ」
  「そうそう、さおり! どうして1たいルート2になっているのかしらね?」
  「あっそうか、どうしてかな?」
  さおりは、幼い頃の不思議を思い出したのでした。
        おわり
     
      
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